Apple「ショートカット」 & AIでイベント情報をスマートにカレンダー登録する
Apple「ショートカット」 & AIでイベント情報をスマートにカレンダー登録する
インターネットでイベント情報を見かけた時、『忘れないようにカレンダーに入れておこう!』と思うことがあります。
丁寧に作られたウェブサイトであれば、Appleカレンダー、およびGoogleカレンダーへのワンタップ登録できるリンクを提供してくれている場合がありますが、必ずしもそうではありません。
そうなるとイベント情報に書かれている内容に沿って、日付・場所などの詳細を手入力するのは意外と時間がかかり、後回しにしてしまいがちです。
今回は、AppleショートカットとAIを使って、その作業を簡単に行う方法を紹介します。
Apple「ショートカット」とは何か?
iOS・macOSにはAppleによる「ショートカット」と言うアプリがあります。
https://support.apple.com/ja-jp/guide/shortcuts/welcome/ios
iOSやmacOSの各種機能を登録しておくことで、ワンタップで複数の動作を自動化できる便利アプリです。
例えば、この仕組みを使って
- AirPodsを「外部音取り込み」モードにした上で、再生中の音源を再生停止する
のような複数の動作を一つの「ショートカット」として登録してワンタップで呼び出せるようになります。
また、OS標準の機能の自動化だけではなく、対応したアプリであればアプリ内の動作にも踏み込んで自動化してくれる便利アプリです。
そして、今回はChatGPTとの連携も使って、イベント情報をURLから取得し、カレンダー登録を一気に済ませます。
実現したいこと
例えば次のようなシナリオを考えてみます。
- イベント情報のページが存在しており、そこには日付・場所・概要が記載されている
- ワンタップでAppleカレンダーに登録
- Appleカレンダーのイベント画面からマップに飛べるようにロケーション情報がちゃんと認識されている形式で登録したい
という具合です。
必要事項をコピペすれば簡単に終わる作業といえばその通りなのですが、微妙にめんどくさくて後回しにしようと「あとで読む」系のアプリにURLを登録してそのまま忘れてしまうことがよくあったのでそれをAIの力を使って解決したかったのです。
動作例:イベント情報をカレンダーに登録するまで
まずは早速どんな動きをするか紹介しましょう
過去のイベントにはなっちゃいますが、AWS Summit Japan 2024のウェブページを例にやってみます。
iOSの共有メニューを開き、ショートカットを呼び出す
ChatGPTアプリ側で処理が行われる
完了すると、カレンダーのイベントが自動的に作成される
このようにスムーズにカレンダー登録が完了します。
開始日と終了日が入っているほか、イベントの概要も取得してカレンダーに入れてくれています。
そして、自分として一番嬉しいのはイベントのロケーション情報(この例だと幕張メッセ 〒261-0023, 千葉県千葉市美浜区, 中瀬2丁目1
の部分)がAppleマップと連動できるよう認識された形で入力されている部分です。(カレンダー画面にて赤字でハイライトされており、タップするとAppleマップに飛べる)
上手く読み取ってくれない時もありますが、そこは手動で登録して対応です。
うまく行った時はワンタップでカレンダー登録が完了するので、これで登録の手間が省ければこの試みは成功と言えるでしょう。
ショートカットの作り方と仕組み
では、カレンダー登録を自動化するショートカットの作り方を解説します。
画像での共有で力技感がありますが、全体の内容は以下の通り
大まかな流れとしては
- 共有メニューからWebページのURLを受け取る
- ChatGPTに送るプロンプトを作成し、日付情報を抽出させる
- 開始日と終了日を受け取る
- ChatGPTに送るプロンプトを作成、開催地情報を抽出させる
- 開催地情報を受け取る
- ChatGPTに送るプロンプトを作成、イベント概要を抽出させる
- イベント概要を受け取る
- ChatGPTアプリから受け取った開始日・終了日・開催地・イベント概要の情報を使ってAppleカレンダーでイベント作成
- 作成されたカレンダーイベントを表示
という具合ですね。
フローに表すと下記のような感じ。
このフローにもあります通りショートカットが起動したら、カレンダーに登録されて表示されるまではユーザーは何も操作が必要ありません。
ただし、時々レスポンスの中にウェブでの検索に使ったと思われるgoogleマップ上の情報へのリンクを入れてくることがあります。
(どうにか入れてこないようにプロンプトも検討したのですが、難しかった…)
そうすると、その情報も含めてカレンダーに登録すると開催地情報として機能しなくなってしまうので、それを除外してカレンダーに登録できるように選択する画面を表示するようにしてあります。
また、GPT-4oを使っていたりGPT-4o miniを使っていたりするのは、
プロンプトで「余計なコメントを入れるな」と指示していても、ChatGPTのモデルによって引用元情報へのリンクを含めてくることがあり、その挙動を制御しきれなかったので、モデルを変えることで対応しています。
まとめ
AppleショートカットとAIを組み合わせることで、カレンダー登録がワンタップで完了できるようになりました。
自分のカレンダーの中に入っていたイベントを対象に再度試してみた限りでは順調に動いている様子があり、今後イベントを足す時が楽しみです。
ChatGPT連携に限らず各種アプリとの連携が便利なのでぜひ、日々のタスクの効率化に活用していただけたらと思います。
ただし、ショートカットが複雑になっていくにつれ、GUIで作っていくのも大変でした。
もしかしたらこういうところもApple intelligenceとかに任せられる時が来るんですかね。そうしたらこのショートカットも要らなくなりますね。
「AIでこんなことできるといいな」の想像を膨らませながら、来たる未来を楽しみにしておこうと思います。